天上天下唯我ドキュソん 殿堂入りおすすめネタ
クドナルドは様々な話題を私に提供してくれる。

 今回の事件もその一つだ。

 Novaのレッスンを終え、脳神経科学講座の課題(積分発火型ニューロンの相互作用モデルfor JAVA)を作ろうと思い、行きつけのマクドナルド の2Fテラスを目指す。私の家には机と椅子がないために、じっくりとプログラムを作るのに適していない。

 私は、大衆の中に埋没し、一人本を読んだり、モバイルをしたりすることが好きなので、好んで、日光が 直接机を照らし、外気が少し肌寒く、鳩と戯れることが可能な、この2Fのテラスを利用しているのだ。

 この日も、5・6時間はそこを占領する勢いで、乗り込んでいたのであった。メニューはカルビマックLLセットだったろうか。  相棒のLOOXと仲良く語り合っていた。課題達成の見通しは立っていたが、JAVAの書き方に手間取り、思っていたよりはスローなペースで プログラミングは進んでいた。

 だいぶ日も落ちて、暗くなった頃だろうか。そのテラスで、高速にキーボードをたたきまくる男のそばへ3人の 高校生くらいのチャラチャラした輩がやってきた。その子らは2Fのテラスの手すりから身を乗り出し、仲間を呼んでいたようだった。

 そして、その手すりの下は多くの人々が通る歩道になっているのだが、  2階から人々が歩いているその道路に唾(つば)を吐いて、  ワイワイと,当たったとか当たらないとかで騒いで互いに興じている。



 「まったく馬鹿はいるものだ。小生はDQNとしてまだましなほうかもしれんな。」  と思い,無視しようとイヤホンの音量を上げて音楽を聴きながら、プログラムに熱中していた。



 しばらくすると、その仲間達がぞろぞろと入ってきた。私は入り口に背を向けていて、音楽を聴いていたので、あまり気づかなかったが、 テラスにいた他の客はそそくさと帰っていったようだ。

 プログラムに集中していた私は彼らの気配を感じつつも、あまり動じていなかった。 私の服装は定番のスーツにちょっと派手目のネクタイであった。  その子達は、私の周りで、めざわらしい動きをしていた。しかし,私は「俺のじゃまをするな!」といわんばかりに、体からオーラを出し、 いつもより早く、キーボードを打ち込んで見せた。


 それから、小一時間経った頃であろうか。

 そのテラスには全部で30人分くらいの椅子と机があったのだが、








 ふと気が付くと、 その一味が約29人くらいになっていた。

 既に四周を囲まれていた。プログラムに熱中していて気づかなかったが、予想以上にやばそうな方々が沢山おられた。 さすがに、「もう少しやったら帰るか」という気になってきた。とその時、なにやら、シンナーのような臭いが 漂ってきた。



「マックのドリンクだけでは飽きたらずに、ひょっとしてビンでもくわえていらっしゃるのですか?」 と疑問が浮かぶ、



「いや、ここで振り向いたら負けだ!しばらくやり過ごせ!」
 もう一人の私が制止する。

もはや、私は意識はプログラム作成どころではなかった。



 シンナーの香りとともに、「シューシュー」という音が聞こえてくる。


 更に耳を澄ますと、 どうやら私の隣のならず者が「シューシュー」と音を起てている仲間のことを話しているらしい。







「こいつらさすがに鬼畜系だよなー。マジ、ギャングだよ。俺らも、ギャングッぷり発揮するか?この椅子を ここから投げて、下のストリート歩いている奴らにぶつけるとか、隣にいるコイツ囲んじゃうとか」






へ?「隣にいるコイツ」って
私のことですか?
(わたくし)


「それにしても、コイツ気合い入っているよな。これだけ囲まれても、まだパソコンやってるよ。」 そのうちの一人はそういった。





 私は、イヤホンの音楽に没頭しているフリをして、今まで書いていたプログラムをセーブする。

 さーて、 早いところ退散するか。(早く退散しとけよ。)



 そして、ちらっと横目でその集団がお集まりの方角を見ると、

 一見にして、明白に、鬼畜系のギャングと呼ぶにふさわしい方々が 私を囲んでいるじゃないですか。




 しかも、さっき、シューシュー聞こえてシンナーくさ かったのは ラッカースプレーでマクドナルドの 壁に下品なマークを書いていたからであった!!




 今日だけはこの方角が,まさに鬼門!!


 ( ̄▽ ̄;;やばい。早くこの場を立ち去らなくては・・・


このお方達は既におわっていらっしゃる。







 こういうときに限って、パソコンのシャットダウンが遅い。
しかも、消えないプログラムとかがあって、終了しねえ!




どうなッてんだゴルア!



 うおお!電源を4秒間押し続けて強制シャットダウン!!






 このテラスから脱出できるドアは一つ。 奴らの間を通らなければならない。  いつ呼び止められてもいいように、しっかりと準備をしてこの場を立ち去ろう。
 少なくても両手を空けていなくてはならない。持ち物はすべてリュックサックに詰め込んで、それを背負ってから



 颯爽と立ち上がり、びびっていることを悟られないように胸を張って、奴らに軽く眼光を浴びせながら ドアに向かって一直線!!

 ビビリは禁物! 限界までオーラを出す!!

気分は既にラ王







 ふー助かった。安全地帯まで逃げ切ったようだ。





室内からそのテラスを見ると、
見るからに無法地帯



 私は小一時間あの空間にいたのか? きっ気づかなかった・・・





 1Fに行って帰る際に、「すいません。店長いますか?」とアルバイトに訪ねた。「私でよろしければ・・・」と責任者が出てきた。  2Fテラスで起こっていたことを概略報告し、「警察読んだ方がいいんじゃないですか?」と提案して私は帰った。



 2週間後にそこへ行ったら、そこの壁はすべて新品のものと取り替えられていた。「誰がお金を払ったんだろう?」

 と、これが今回のマクドナルド秘話であった。






 マクドナルドの達人への道は、まだまだ遠い。






HOME