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い
きつけのファミレスへ入ると,
アルバイトの店員さんが元気良く駆けつけてくるが,わたくしの顔を確認するや,もはや席への案内とかしないばかりか,
注文しても,メニューを復唱確認しなかったり,ドリンクバーについての説明をしなかったり,とVIP扱いだ.(それをVIPと呼ぶのかどうか・・(・_・、))
それどころか,
店員さん:
「チィッ! また,あの客かよ.」
という声まで聞こえそうな雰囲気だ. (全然VIP扱いではありません.)
その待遇を
常連であるがゆえのステータスと噛みしめながらカプチーノをすする.一抹の寂しさも感じながら・・・
さらに,3時間くらいドリンクバーとほうれん草ソテーだけで粘っていたりすると,
もはや顔なじみだが,レジでの金銭に関する会話(合計で462円になりますとか)以外交わしたことのない
店長の男と視線交差のみの挨拶を交わす機会にも恵まれてみたりする.
店長の視線: ・・・またおまえか,調子はどうだ・・・
小生の視線: ・・・私の調子を心配するより,客の入りを心配したらどうだ・・・
店長の視線: ・・・ふっ,相変わらずドリンクバーとほうれん草ソテー(462円消費税深夜料込!)だけで,また長居するつもりか・・・
小生の視線: ・・・最近 ちょっと減量しているものでな・・・
店長の視線: ・・・そんなことはどうでもイイが,アルバイトの子にちょっかい出すなよ・・・
小生の視線: ・・・ちょっかいは出さないが,以前のファミレス居座り24時間耐久レースのリベンジはいつか果たしてやるからな.覚えていろよ・・・
実際に言葉を交わしはしないが,視線のみの鍔迫(つばぜ)り合いを,店長といつものように交わした後,ドリンクバーのカプチーノをお代わりしに行く.
咳き込みながらカプチーノ上部の泡の部分を飲もうとすると,勢い良く吸い込んだらしく,
鼻が痛い.気がつけば鼻の穴からポタッポタッっとカプチーノがしたたり落ちている. スーツ姿で哀れな始末を曝(さら)していた.これも日課か・・
鼻から滴るカプチーノをティッシュで拭きながら,最近の出来事について回顧(思い出す)する.
さて今回は,小生が最近こだわっている一人プレイについて言及したい.
最近,いろんなところに行って,「あっ.自分一人だ.」と思うことが多い.
「映画館を一人で貸し切り」
これはうれしい.
比較的マイナーな映画を平日のレイトショー前あたりに見に行くと
200人掛けくらいの劇場を自分一人で占有することができる.
飛行機のファーストクラスには乗ったことがないが,ある意味それと同等以上の
VIP感が味わえることは請け合い.
広くて暗い劇場でたった一人ホラー映画などを鑑賞すれば,気配を感じるたびに振り向いてみたくなるは,
「来るゾ,来るゾ・・・キター!!」の瞬間に
不意に出てしまう絶叫で他の人に迷惑を掛けてしまうこともない.
「電車内を一人で独占」
これもまあ,うれしい.
比較的マイナーな路線で連結車両が多めの列車に乗ると,
階段付近の車両は立っている人がいるくらいの混みようなのに,ハジッコの方は自分一人しか乗車していないという現象が起こる.
列車が正面衝突した場合には死ぬ可能性が高いといわれる
前から2両目までには極力乗らないようにしている小心者であるが,
その車両の王として君臨してみたくなる衝動に駆られ,
先頭車両へと足を運んでしまう.
同じ乗車料金で貸し切り状態を楽しめるとあって心地よいのは事実ですよね.
ただし・・・
客のいないローカル線の車両は・・
地元のヤンキー高校生が乗り込んでくる危険性が高い諸刃の剣.
しかも,軍勢で乗り込んでこられたら,ドア開放,エンジン停止のサファリパーク.
更に!!
ローカル線は一駅の間隔が長い!!
ガッデム!
先頭車両ならまだ,運転手さんに助けを求めることも可能だが・・・
2両目とかだと・・
補給線を絶たれたインパール最前線となる.
(インパールとは,インド・マニプール州の州都.大東亜戦争にて日本陸軍がこの地を目指したが,補給線が伸びきって物資が供給されなかったことと
熱帯の気候と相まって大変な損害を出した.【インパール作戦】)
)
なぜ,そこがインパールなのかというと
学生服らしき衣類に身を包み,色とりどりの頭髪をお持ちの その原住民の方々には日本語が通じません!!
ガッデム!!!
ガムをくっちゃくっちゃ噛みながら,近づいてくるんです!!
ヒエー!! 怖いようぅぅ
ガクガクブルブル(((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル
お顔を拝見させて頂くと・・
あれまぁ.
ガムより堅いものを噛めそうにないような立派な前歯をお持ちのようで・・・・
ヒエー!! 怖いようぅぅ
ガクガクブルブル(((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル
危うく,電車賃の数百倍のお金を消失しそうになりながら,何とか脱出.
車両内を一人で独占という誘惑には気をつけなければならない・・・・.
つづく
さて,最近ふとした時に何かと「一人プレイ」になっている事柄について述べていたわけですが,
更にもう少し考えてみたい.
「銭湯での一人プレイ」
これはイイ( ゚∀゚)!
立ち上る湯気!
ほのかな檜の香り!
お湯の溢れる湯槽!
響き渡る反響音!
広々とした開放感!
誰もいないのをいいことに, こっそりと放尿した後の残尿感! ブルブル(((( ;゜Д゜)))ブルブル
(おいおい.前の5行はこの一言のための前フリかよ! ちなみに銭湯などで放尿してません(したことありません)のでご安心を・・)
体を洗い,浴槽に肩までつかると,
日頃の疲れはどこかに行ってしまい,唄の一つでも歌いたくなる. 誰もいない
貸し切り銭湯だからこそ可能な至福のひとときである.
こんな時に頭に浮かんでくる歌は,子供の時に聴いたような簡単な歌だ.
ポッポッポー ハトッポッポ= マーメがほしけりゃ・・
なんか自分の程度の低さに気づき,歌うのをやめる.
そして次に頭に浮かんだ曲を歌う.
ぞーおさん,ぞーおさん,おー鼻が長いのね.そーよ・・かあさんも・・
はとぽっぽの方が良かったかな・・・ なんて思って歌うのをやめる.しばらく考えて・・
ダイダイダイダイ ダイナマン!! 大爆発ッだ〜あ ダダッダ! 嵐が叫んだ・・・
と,貸し切り銭湯内で叫ぶのに心地よい歌(5人勧善懲悪戦隊もの「科学戦隊?!ダイナマン」)にたどり着き,
湯槽につかりながら,ノリノリで歌っていると・・・・
なにやら背後に気配を感じる!
ハッ! と思って振り返ると・・
映画「呪怨」の 俊雄(トシオ)君 こと
尾関優哉氏 のような坊や(推定3歳くらい)が 立っていたのだ!
別に,こんな怖い顔をしていたわけではありません・・ (じゃあ,呪怨だすなよ.)
まったく,脅かしやがって・・
あたりを見回すとその子一人のようだ.
気持ちよく歌を唄っていたところにやってきたということで,サービス精神を働かせ,その子にもう少し歌を聴かせることにした.
大爆発っだ!! 大爆発っだ!! ダイダイダイダイ ダイナマ〜〜ン!!!
メンタマをむき出しにして,ムキになって大声で,その子めがけて歌っていると,
3歳の坊やは途端に怖くなったのか,泣きそうな雰囲気を醸し出していた!
ガッデム!
この年頃のお子様が「この顔つき」になってから,実際に泣き出すまで「推定5秒!」
そのように判断した私は執行猶予の間に,敵の最終兵器使用に対する妨害工作へ躍起になる.
「いないいないバー」や「必殺技:ピカチューのまね」などを駆使してご機嫌を取っていると,
その子の父親とおぼしきお方が風呂に入ってこられた.
そのころには「泣き出しそうな雰囲気」はかろうじて収まっており,小生はその父親さんと入れ替わりで銭湯を後にするのですた.
一人であるということは,「なにをするにも自分の自由であるということだが,同時に責任も自分一人」という自由の本質のようなものを再度学ぶ貴重な経験ですた・・.
つづく
最近体験した一人プレイについて語っている.
孤独さを味わい,更にそれを「楽しめる」・「楽しむことができる」のが「真の男」であるという話しは良く聞く.
その道の達人を目指す男として,一人プレイを極めるのも,これまた修行の一環.
ということで最近このシリーズを書いているのである.
「広い回転寿司屋での一人プレイ」
これは・・・・ うれし・・・い?
● 一人しか客がいないのに大量にベルトコンベアの上を回る寿司.
● よく見るとヒカラビているネタ達.
● 3人の板さんから「回っていないネタがあったら遠慮無く言ってください!」と言われるプレッシャー.
● 客が誰もいない地元の迷店に入っちまったのかよ!!という「しまった感」.
「このお店・・・栄えてないなぁ・・」と,ややかわいそうになる.
とりあえずヒカラビている寿司から順に食べて,
ほんの少しでもお店に協力しようとしてしまう律儀(りちぎ)な小生.
案の定,干涸らびたネタはうまくない.
3皿ほど食べて, 「もはや,義務は果たした!」とばかりに,
店を後にしようとすると・・・
店員さんが話しかけてこられた.
「すいません・・お客さん・・
一人最低7皿は食べて頂くように
入り口付近に注意書きが書いてあったと思うんですが・・
いかがお過ごしですか?」
・ ・ ・
ハァ?
いかがお過ごしですか? じゃないんじゃ!ゴルゥァ!!
ヒカラビた寿司ネタを3皿も処理したんだゾ!
(それは あんたが勝手にやったことでしょ.)
ボッタくりバーかよ!?
しょうがないので,7皿食べる.
比較的損傷の程度が低いネタを選びながら・・
シメは,納豆巻きをオーダーし,口の中を浄化する.
もうこねーYO! プソプソ ヽ(`Д´)ノ プソプソ
私がノルマの7食を終え,この店を出て行くちょっと前に,もう一人別の男が入店
していた.
「かわいそうに・・ 蜘蛛の巣にかかったか・・・」
そう思いながら,哀れみの目で彼を見て,暖簾(のれん)を跨いだ.
見上げると春の空が私を迎える.
あたりを見回し「一人じゃない.」と 一言つぶやいて,雑踏に埋没していく男やもめ.
達人への道はまだまだ 遠く 険しい.
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