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相棒と小生 1・2・3
2004/10/05
沢
山の方々が,この更新されていないページに足を運んでくださったようで・・・ 更新が停滞してから 10000ヒット位いただいており,そんなに
無駄足を踏んでいただいた
のかと思うと,申し訳なく思います.
また,殿堂入りテクストの方も読破してくださった方々がおられるようで,どうもありがとうございます.
殿堂の文章を全て読むことは,さぞかし御苦行であられたことかとお察しします. 物書き冥利につきるとはこのことです.
(物書きと申しましても,ノンフィクションですか・・(・_・、)
また,このページに仕掛けられた仕掛けボタンなどで遊んでくださった方もありがとうございます.近々,ページをXMLとXSLを用いたPHP使用にして みたいなーと思っているうちに,地震が起こってそれどころではありませんでした.
最近私の相棒の調子はどうなんだ?!と心配してくださる方もいらっしゃるようで,ありがとうございます.
今回もまた,私と相棒のお互いを思いやる暖かいエピソードに出会うことができましたので,
彼
との友情話をご報告したいと思います.
晩
夏の暮れ,ヒグラシの鳴き声に「けたたましさ」が引き,多くは夏の勤めを終え,次世代に希望を託し終えた頃.
台風の往来に人々も気温も慌ただしく振り回され,様々な意欲の泉がわき上がる季節.「秋」がこちらを伺っている.
アスファルトは昼の余熱を仄かに漂わせ,「秋」の進入を拒んでいるかのようだが,風と共に時折それは足下を通り過ぎる.
小生:
「もう,夏は終わってしまったのだろうか?」(・ω・)
春夏秋冬,私の最も好きな季節は,「夏」だ!
夏の蒸し暑く,青と白の空と太陽が私たちに圧力を掛けるそんな日に,学校の校庭でドッチボールをするのが好きだ.
この夏に,一回も海にも行かず,キャンプもせず,ましてや,ドッチボールをすることもなかった小生は,秋の訪れを直感的に拒んでいた.
今回の相棒との物語はここから始まる.
「YAMAHA Virago 250」アメリカンタイプのバイクはわたくしの相棒であり,わたくしの良き理解者であり,共に苦楽を分かち合った戦友でもあった.
この日も相棒と共に,我が家を目指して帰路につく.
冒頭でいくら夏だと言おうとも,今しがたの夜9時の気温は寒く,薄着でバイクに跨っていれば,その風圧により体感温度はそれなりのものとなる.
小生:
「この調子なら,近くの映画館に滑り込んでレイトショー(1200円)で映画が見られる時間だ.」
レイトショーとは,午後9時以降に上映される比較的大人向けタイトルの映画であり,格安で鑑賞することができるため, 私は重宝していた.
小生:
「まだ,ちょっと時間があるから,相棒にドリンクを飲ませてから行くか.」
自分ばかり楽しい思いをしてはいけない.と思い,相棒にガソリンを給油するため,行きつけのガソリンスタンドに立ち寄った.
小生:
「現金! レギュラー! 満タン!!」
とお決まりのキーワードを大声で叫び,エンジンを停止して,ガソリンタンクの給油口を解放する.
走行距離メーターを0kmにリセットして,ガソリンタンクのセレクターレバーをリザーブからノーマル位置に戻す.
小生:
「ギリギリまで入れてください.」
とスタンドのお兄さんに注文し,
(10リットルしかガソリンが入らない上に,燃費が悪いのでぎりぎりまで入れてもらわないと 給油間隔が短くなりめんどくさい.ガソリンは給油中かなり泡立つために,最後の方はゆっくり入れてもらわないと,最大で約1リットルくらい 少ない量しか入れてもらえない.)
そして,お金を渡し,ヘルメット「栄子」をかぶり,
(栄子とはヘルメットに付けた名前)
颯爽
(さっそう)
とその場を立ち去る.
押し掛けで・・
(・_・、)
スターターボタンを押してセルが回らなくなったのはいつからだっただろうか・・
バイクを押して,クラッチをつなぎ,車体の重さでエンジンを無理矢理回転させて点火するのが「押し掛け」である.
ガソリンスタンドを脱出するまでの約20m,押して押して押しまくり,エンジンに動力を伝えたが,いっこうに
点火
しない.
ハアハアと息を切らしながら,バイクの各部位を点検してエンジンが何故掛からないのかをチェックする.
小生:
「おかしいなぁ?もうちょっと押してみるか・・」
そう思い,ガソリンスタンド内をグルグルと回りながら,もう50m位押して回ってみた.
「ガッポ,ガッポ,ガッポ,ガッポ,ガッポ,ガッポ・・・」
(エンジンが押される力で回る音)
広いスタンド内に
空しい音が鳴り響く.
スタンドの店員さん達の視線が痛い.(・_・、)
おかしいなぁ? キーは回ってるし,キルスイッチも正常なのに・・・ また,例の場所が漏電したか?
例の場所とはエンジン内部から出ていてピストンの位置を知らせるパルスを送る電気コードを止めてあるネジの部分であった.
あそこを直すにはクラッチをはずしてからエンジンカバーをはがすという大工事が必要であり,油まみれになることは必至であった.
「あー.。・゚(´□`)゚・。 やだやだ.」
と思いながら,スタンドの店員さんに,
小生:
「すいません.迷惑にならないように致しますので,はじっこの方で修理してもいいですか?」
と了解を取る.
私がさっきから,スタンドの中を
空しくグルグル走り回っているのを見て,哀れに思ったのか,
店員さん:
「ああ.どうぞ.もし,道具が必要でしたらそろっていますので言ってください. バイクに詳しい奴がいますので, 呼んできましょうか?」
とおっしゃってくださった.
はー.アリガタヤアリガタヤ.この次もここで給油させて頂きますよ.(ToT)
エンジンのカバーをはずして,えっちらおっちらやってみるが,いっこうに良くならない.
もう,レイトショーを見に行けるような時間はとうに過ぎている・・・ そんな秋の夜更けであった・・・
つづく
そんなこんなで,相棒の体をいじりだしてから,1時間ほどたったのであろうか?
いろいろな部位をいじり回してみるが,やはり,エンジンは掛からない.
よくよく点検してみると,ライトがついていないことに気付いた.
(おいおい. 最初ッからそんなこと気が付けよ.)
店員さん:
「ひょっとしたらバッテリーがもう無いんじゃないですかねぇ?」
小生:
「そうかもしれませんねぇ.調べてみます.」
手軽にバッテリー電圧を調べる方法が在った.
それは,バッテリーの「+」と「−」を短絡させ,火花を散らし,その
火花
の出方を見て, 電圧の残り具合を確かめるという方法である.
ガソリンスタンド内で火花はヤバイかなぁと思ったが,給油口からは相当離れていたので,店員さんが遠のいている隙に試してみた.
座席をはずして,バッテリーを出し,マイナス極のカバーをはずして,スパナを布でつまんで,電極に接触させる.
バチッ!
予期していた通りの展開だったが,少しびっくりしてのけぞる.
電気は十分ありそうだ.考えてみれば,ガソリンスタンドにはいる前までは,ややかぶり気味だったものの,普通に走っていた.
となると,答えは・・・
ヒューズ
ということで,調べてみると,
あっさり切れていた.
(ヒューズは一応,最初に点検してはいたが,
「まさかいきなり切れるわけ無いよな.」
と思って十分に点検していなかった.)
嗚呼.
こんなことなら,こんなに分解して,大工事を施す必要が無かった・・・
スタンドにはだいたい,予備のヒューズが売っているはずだから,それを買って,はめればOK.
は〜.コレで帰れる.(; ´Д`)
安堵の表情を浮かべながら,店員さんに20Vのヒューズの値段を聞くと,
「200円」
ということなので.おお!安いやないですか!と思い
即決.
バイクのヒューズはこんな感じ
で,そんなのが出てくると思っていたら・・・・・
ガッデム!
なんでこんな見たこともないヒューズが出てくるねん!
(車用のヒューズで,バイク乗りはあまり見たことがない.(・_・、)
しかし,「やっぱりいらないです.(・_・、)」
ともいえずに,購入.(200円)
店員さん:
「大丈夫ですか?合いますか?」
と親切なお声を掛けてくださるも・・ ちょっと遅かった・・
小生:
「大丈夫です.(・_・、)
合いません.ボソッ 小声.
(T^T)まあ何とかなります.」
何とかなるのかよ.とササヤカに思いながらも,とりあえずバイクへ向かう.
せっかく200円で購入したのだし,同じ20Vであれば,違いは形だけのはずだし,
第一,ヒューズを使わずに直結でも動くだろう.
と自分に言い聞かせて, その形の違う車用のヒューズに導線を巻き付けた.一応ショートしないように,スタンドに落ちていたゴムの切れ端らしきものを 充てて絶縁した.
今度,天気の良い日に本物のヒューズを買うまでの応急処置さ.
大丈夫だよなぁ?
相棒!
私は相棒のタフさを承知していたので,彼も当然相づちを打ってくれるものかと思っての問いかけであった.
エンジンを掛けてみると,あっさり,元気な音を立て,私に応えてくれた.
おお! よしよし.ごめんな.ヒューズ切らしてて.今度本物を買ってやるからな.( ゜∀゜)
スタンドの皆さんに挨拶をして周り,そして,そのスタンドを後にした.
そんな秋の夜長であった・・・
つづく
「そんな秋の夜長であった・・・」と言って終わりたかったんだが・・
その次の日のことである.
私は愛車を甘やかさない.
それは,「強い子」に育ってもらいたいからだ.
だから,
駐輪場も屋根なしの雨ざらし.
こうすることによって,どんな状況にも耐えられるオオカミのようなモンスターに成長してくれることを願っている.
( おいおい.本当かよ.金がないだけだろ?)
職場に向かおうと,いつものようにゴリゴリ押して押し掛けし,バイクに跨
(またが)
った.
憂鬱なのは
この日がすごい大雨でこんな日にバイクに乗っていく
ということであった.
なるべく早く職場に到着して,なるべく濡れずにいきたいものだ.
季節は移り変わり,最近は寒さを感じるようになっていたので,この日は下着を多めに着て,Yシャツの下には暖かめのカシミアを着ていた.
これだけ着ていれば,寒く感じることはないだろう.( ゜∀゜)
そんなことを考えながら,家を出てしばらくし,首都の南方面を流れる動脈「国道246号線」に差し掛かった時のことである.
直線に入ってまもなく,加速しようと
アクセルを蒸かした!
ガクッッ!
ガクッガクッ
ブルブルブルブル
?!
加速に力がない!
小生:
「相棒
(バイクへの愛称)
! どうした?!」
小生:
「昨日直してやったろ! 元気出せよ!!」
アクセルを動かすと,明らかな違和感が伝わってくる.
この感触は
アクセル空回り!
(゚д゚ノ)ノ
アクセルを回しても回してもクルクル回るだけでエンジンにスロットルの変化が伝わっていないらしい.
力をなくしたバイクは,上り坂の手前で空しく停止した.
そして,
ここで分解工事が始まった!!
(ノ^o^)ノ
↑なんかもう喜んじゃってる.(どうでもよくて・・)
とりあえず,ワイヤーがはずれているだけだろうから,すぐ直ると思って,ボックスを分解して中を見てみることにした.
全身カッパを身にまとった工事車両誘導のおばさん:
「お兄さん? どうしたの? 故障?」
と優しくお声を掛けてくださった.
小生:
「あぁ.はい. もうちょっと見てみないと故障かどうかわかりませんが・・
ここ,じゃまですか? どうも,すいません.」
全身カッパを身にまとった工事車両誘導のおばさん:
「いえいえ.大変だねぇ.雨の中・・」
とありきたりの会話がなされる中,
私の雨衣は水が染みこんでくる偽雨衣のため,次第に,服の中が濡れてきていた.
そして,ボックスを開けてみると,予想外の深刻な出来事に
かな〜り,落胆したのでした( ´A`)
相棒のアクセルワイヤー切れ
見て頂いてわかるように,アクセルレバーに連動して動き,エンジンの空気取り入れ口を開けたり占めたりする
ワイヤーが錆び付いており,よく曲がる部分で切れていた!
ガッデム!
「全くなんてこった!!」
「何で,寄りによってこんな土砂降りの日に切れるんだ!」
こうして,最寄りのバイク屋までの
長い長い道のりを踏破
する土砂降りの中の
濡れ濡れ行軍
が始まったのである.
小学校や中学校の登校の時間となると,主要道路沿いは通学路なのかお子様が多くなる.
小学生A:
「ねえ.なんでこのおじちゃん,バイクに乗らないで押してるの?」
小学生B:
「ねえ.なんでこのおじちゃん,雨の日なのに傘さしてないの??」
小学生C:
「ねえ.なんでこのおじちゃん,バイクのヘルメットの隙間から
大量に白い吐息を漏れ出させて
喜んでるの???」
「ッデム!! 『おじちゃん』じゃねえ!『おにいさん』だ!!」
とか,関係ないことに腹を立ててみたり,みなかったり.
雨で服や体はかなり濡れていたが,
汗で体内方面からかなり濡れている感触
の方が強かった.
「今日に限って何でこんな厚着をしてきたんだぁ!」
と後悔を少ししつつも,労働と無関係な汗に一塩の喜びを感じることを禁じ得なかった.
小生:
「ビラーゴさん.最近,不機嫌ですなぁ?
いっつも乗せて頂いてばかりで申し訳なく思っていたのですが,
今回もこのように押すことができて光栄です.
また元気になったら,私を乗せてくださいね.」
相棒:
「僕ね.ホントはね.昨日の『ヒューズ切れ』で訴えてたんだ.
もうすぐアクセルワイヤーが 切れそうだよ! ってね.
いっつも雨ざらしの場所以外に泊めてくれないから,
体のいろんなところが錆び付いてヤバイよって.」
小生:
「ごめんよ.相棒.今から人間ドックならぬ.バイク屋に連れて行ってやるからな.」
相棒:
「まあ,あんまり,お前に押してもらってもわるいからな・・
ほどほどにしといてやるかッ 」
小生:
「ごめんよ.これからはもっと愛情を注いで大切にするYO!!」
できの悪い息子ほどかわいいとはよく言うが
この金食い虫に今月もごっそりと修理費を持って行かれた.
相棒との親睦をさらに深めることができた今日この頃.
バイクの達人にまた一歩だけ近づいたような気もするが・・・
屋根付き駐輪場契約の目途は・・・ 立ちそうもない・・・
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