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の「蜘蛛の糸」という小説の中で,生前に一匹の蜘蛛を,たとえ気まぐれにでも助けたが為,
地獄に堕ちた後,そこから脱出できる唯一の希望として,蜘蛛の糸が垂らしてもらえた.という話がある.
どんな些細な善行であっても,それがいつか自分に返ってくるという例としてよく挙げられる例である.
「蜘蛛の糸」は芥川龍之介の小説であるので,それが「例」となりうるかは妖しいですが,
ふと,「蜘蛛の糸」を思い出してしまうようなエピソード体験を,今回はご紹介致しましょう.( ´∀` )
男性なら皆さん当たり前のことですが・・・
小便を自分の狙った任意の方向に発射することができる!
(もちろん手で方向を制御してということですが・・・)
そんな当たり前のことを力説してもしょうがありません.しかし,最近,その機能を使用する必要があったのです・・・
ある秋の夜,おしっこがしたくなった小生は,公衆トイレで用を足そう(以下,お茶)と思い,
近くの目に付いた野外公衆トイレに駆け込んだ.
お茶用便器(小便器)は一つしかなく,その場に行って用を足そうとすると,
そこには先客がいらっしゃった.
小便器の中に大きさ10cmほどの蛾(蝶々みたいなの)が鎮座していたのである.
蛾(蝶々みたいなの) お名前:ジョニーさん(イメージ図)
夜でも明るい公衆トイレに引き寄せられてきて,かなり以前からそこにおられたのだろう.
あたかもそこが自分の定位置であるかのようにお茶用便器の中央に構えていらっしゃった.
現在,便器にこびりついたコラーゲンを食して栄養摂取の最中だったのかも知れない.
この状況について,いったいどうするべきかと,心の中の助手:ワトソン君と相談(0.2秒)してみた.
ワトソン君: 「明智先生! 先客がいらっしゃるようですが,いかが致しましょう?」
明智小五郎: 「うむ. 小便器は一つしかないし,こまったね〜.」
ワトソン君: 「明智先生!お茶を放出される前に,一回水を流せば,
先客のジョニーさん(蛾に付けた名前)は
場所を譲って下さるのではないでしょうか?」
明智小五郎:
「ワトソン君・・・
君は大切なことを忘れておるよ・・・
水で追い払ってしまったら,
お茶を命中させるという究極の快感
が達成できないじゃないか!!!」 ヽ(`Д´)ノ
ワトソン君: 「なるほど!! さすが明智先生!! そういうことだったんですね.勉強になります.」
というわけで,いったい何が「そういうこと」だったのかわからなまま,
水を流してからというよりも,むしろ,その虫めがけて,ねらいを定め,
最大出力でポンプを稼働させ,お茶を放出!!という方向で意志決定されたのである.
初弾必中!!
One shot, one kill ! (一発で一人の敵を必ず仕留めるということ)
といった言葉は射撃の世界において常々言われていることではあるが,ここでも当然それを達成すべく,脳のあらゆるところが
全力でそれに取り組んだ.
水雷長: 「3番・4番バルブ開放! 注水開始!」
兵士: 「3番・4番! アイアイサー!!」
幕僚: 「艦長! 準備は整いました.発射致します.」
艦長: 「イヤ. 待て,慌てるな.」
ピコーン!! コーン コーン
コーン コーン コーン
ソナー: 「てっ敵の位置を確認しました!! エンジンを切ってこちらの出方をうかがっているようです!!」
幕僚: 「艦長! ご決断を!!」
艦長: 「方位角 6200.距離300.射角1300.装薬6(最大) 射撃用意!!」
戦闘警報発令 繰り返す 戦闘警報発令 居住区にいる非番の隊員はA配置への移行を実施せよ. 繰り返す・・
艦長: 「ファイア!!」
上記のような過程を経て,発射されたお茶は見事標的に命中した.
山猫は眠らない・・・・ ニヤリと微笑む.
奴は一瞬たじろぎ,制御を失ったようによろよろと逃げ回った.
しかし,逃げる彼に対し,容赦なくビームは追尾する.
大雨が降った場合でも虫は,葉っぱの下などに隠れてやり過ごし,羽はその程度のことでダメージを受けないが,持続的に水にさらされるとそうはいかない.
まして,それが温かいお茶であればなおさらのことだ.
明智小五郎: 「はっはっは.無駄だよ怪人20面相. 君は既に私の策の中に捕らわれているのだよ.」
艦長: 「そのまま撃沈するがよい.」
ムスカ大佐: 「何処へ行こうというのだね?
終点が玉座の間とは上出来じゃないか?」
逃げまどう虫に対して,心の中のキャラクター達が,思い思いに叫び出す!!
逃げても逃げても容赦なく追従するビームに,もはや奴の生命力は途絶えかかっていた.
私が「戦闘終了宣言」を出そうとしたその時!
奴は強かった.(しみじみ・・・)
よろめきながらも小便器から脱出し・・・
戦術の基本! 「逆襲」を試みたのである.
その彼は力無いながらも,よろよろと飛んできて,
私の顔にとまったのです.うおぉ!
ダイナマイッ!
奴の逆襲は成功し,私は自らのお茶で自らが汚(けが)される結果となった.
それは,米軍が自らの射撃した劣化ウラン弾(APFSDS)の破片で被爆するかのごとくであった.
更には!
反射的に,ビビって振り払おうとした際,鱗粉(りんぷん)とお茶が
混ぜ合わさったスペシャルな液体が
手や衣服や首筋に付いてしまったのだ.(・_・、)
一寸の虫にも五分の魂.
ああ.私は何十匹単位で蜘蛛を助けないと天国に行けない・・・
そんなことを考えた秋の夜長でした・・・・
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