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車内ドキュソん事件 2003/09/17

の周りには事件が起こりすぎていて、日々の生活においても飽くなき闘争心が養われている。

 なぜ、こんなに事件が多いのか?というほどで、ネタ帳はたまる一方。しかし、最近はそれを HTML 化する時間が 無いので残念だ。

 なぜ、事件が起こるのか?



それはッ・・・







「事件は会議室で起きているじゃない!! 現場で起きているんだ!!」 というわけだから・・・ではない。
(ただ、それが言いたかっただけなんだろ?)


 たしかに現場に行かなければ事件に波めぐり合わないのであるが、最大の理由は・・



「類は友を呼ぶ。」からである。


つまり、「ドキュソんはドキュソんを呼ぶ。」

 そのために、私は、日々数多くの難事件に直面するのだ。




 前置きが長かったが、今回はあるドキュソんとの出会いについて話してみたい・・・・。






 今日も電車に乗る。

 庶民の乗り物「電車」は言うまでもなくみんなの乗り物だ。

 子供からお年寄り、通勤のサラリーマンから旅行者までが一堂に乗り込み、それぞれの目的地を目指す。  私も目的地を目指していた。

 車窓から眺める景色は平凡な日常ではあるが、視点を変えれば様々な発見がある。

 例えば・・

 流れて行く看板を全て読もうとすれば、速読は言うまでもなく、動体視力、瞬間状況把握能力、眼球瞬間運動の 訓練になり、脳の活性化にも良い結果を与えると考えられる。

 また、窓から目に映るものを全て英語で言ってみて、言えなかった単語を後で辞書で調べてみる。なんていうのも 電車の楽しみ方の一つだ。

しかし、私は既に、その程度では満足できない体に なっていたのである!! (じゃあ、本でも読んでろよッ!)











 それで今日はこんなことをやっていた・・・
















 つり革に捕まって、腕を直角に曲げ、体を若干浮かせて我慢するのである。

 目標は、「オウム真理教の信者が、弟子入りさせてください!!と嘆願したくなるほどごく自然(ナチュラル)に 浮くこと」である。

浮遊高は、0.5cm〜1.0cm 。それ以上高く上がってしまい、浮いているということがばれると、周りの乗客から

おばさんA:「あら、やだ。あの人、懸垂やってるわよ。バカね〜。そう思わない?奥様。」

おばさんB:「ほんと。みんなの車内なのに迷惑だわ。あっ、マサヒト(子供の名前)ちゃん!見ちゃいけません!染りますわよ!」

おばさんC:「まあ、この車両汗(ワキガ)くさいと思ったら、たぶんあの人ね。」

などと、言われることは必至だ。

 あくまで、周りの人に“浮いている”ということを悟られないように、浮遊し、筋力と意志貫徹力を鍛えなければならない。

 0.5cmほど体を浮かせ、ぷるぷると微かに振るえる腕を周囲の皆さんに悟られないように平静を装う。

 「窓の外にビルが50戸見えたら休憩しよう。」そのようにノルマを決定する。

 最初の数秒は楽勝だが、20秒を超えてくると、だんだん「ぷるぷる度」が高まってくる。

 血圧は上昇し、目の中の毛細血管が膨張、白目が赤くなってるんだろうなーなんてことも思う。

 その頃からビルを数える速度が極端に速くなり、鼻息も荒くなる。

 希に、住宅街に突入し、ビルが目に入らなくなった時には大変だ。

 踏ん張って彼方にある長方形をなんとか「ビル」として認識する。

 三階建ての家をビルとしてカウントすることもしばしばだ。(おいおい。負けてんじゃねーかよ。初志貫徹能力が鍛えられてねーゾ。)

 また、急ブレーキが掛かったりして、体が不自然な傾きになることもある。

 そんな時も反対側の手に力を入れて、私の些細な楽しみが皆さんにばれないようにがんばってみる。

 これを何度か繰り返し、ほのかに熱くなった上腕二頭筋を車内の窓に映し見る。そして、ナルチスティックな気分に浸る。 ふぅッ。至福の一時だ。 バイクと違い、移動中に好きなことができるのが 電車の魅力だなぁ〜。

と・・・  この時までは、何気ない日常的な車内の一時を過ごし、ご機嫌であった。



この後、ある事件に遭遇するとも知らずに・・・・
つづく・・









いうわけで、電車は庶民の乗り物であり、様々な人生を運んで運転されている。

 通勤ラッシュというような時間でもなかったので、車内にはやや空席があった。かといって立っている人が殆どいない というほどでもなかった。

 電車の揺れがやや激しくなってきて、いつまでも「浮いている」のもどうかと思い、  席についておとなしく本を読むことにした。
(最初ッからそうしておけよ!)


 席に着いておもむろに「武士道」(新渡戸稲造 著・矢内原 忠雄 翻訳)を取りだす。

 武士とは心の「達人」であったに違いない。


 達人を目指す者達にとって避けて通ることのできない書(バイブル)として、現在私が注目している本だ。


 読み始めて少し経つと・・・

 先ほどたしなんでいた「武芸の稽古」のせいなのか、やや眠たくなってきた。   先ほどの「達人を目指す心意気」などいったい何処へやら・・・

 (おいおい。 何処が武芸の稽古なんだよ。懸垂もどきをやってただけだろ! ちょっと、 「武士道」を読み始めたからって勘違いばかりしてんじゃねえ!)

 そういう訳で、志半ばにして、睡魔に襲われウトウトしていたのでした。



 電車の揺れに同調し、うたた寝をするのも これまた一興。









 しばらく寝ていただろうか・・お客もだいぶ少なくなってきて7人がけの椅子に空席が目立つほどではないまでも、 立っていらっしゃる方はいないような感じであった。

 うたた寝を楽しんでいると、なにやら隣の車両から歌声が聞こえてきたのです。



 それは、なかなかのハーモニーで、それほど下手ではない、いや、むしろ上手い歌声であった。

 どこか聴いたことのある そのメロディーは次第に大きくなってきた。

 そして、その歌声の主はこの車両に入ってきた。

 比較的大きな声で歌を歌いながら歩いてくる青年はこう歌っていた・・










「フニックリッフニックラッ
 フニックッリフニックラ〜〜〜」



 こっこの唄は。かの「フニクリフニクラ」!! このメロディー聞き覚えがあって 当然だ!(小学校か中学校で習う唄)

 しかも、あんなに元気良く歌っているのに、みんな嫌な顔をしていない。

 音階のずれもなく完璧に歌いこなしている。

 乗客は嫌な顔をしていないどころか、その歌声に癒されているかのような感じさえある。

 すごい! 完璧に歌いこなせれば車内にて大声で歌っていても民衆はついてくるのか・・と  感心した。



 おそるべし フニクリフニクラ。あなどれん。



 彼はスキップをしながら私の座っている方に向かってきた。

 当然通り過ぎるものかと思っていた。








 しかし、
なんと彼は私の目の前で歩み
(スキップ) を止めた。





 そ・し・て・ 再び、「さび」の部分を歌い出す!!

しかも、首をやや傾
(かし)げながら私のことを見つめて・・・・・・

「フニックリッフニックラッ
 フニッ 以下略


 おい! 私を集中攻撃かよ!





 ここだけピンポイント爆撃かよ!





 お前は「映画 呪怨」に出てくる「あれ」かよ!

 っと(首の傾き具合に)突っ込みたくなったが、今は我慢の時、やり過ごしてこの先生 が他のターゲットを捜して移動するのを待つしかない。

 我慢・我慢。と。

 しかし、なぜ、私が狙われているのか?

 これについて少し考察してみた。



可能性1:「この席に座りたい。」
 こういうお方は「自分専用の場所」というのをお持ちで、必ずそこに座らないと癇癪(かんしゃく)を 起こすのかも知れない・・・
 だから、いつもの定位置に私が座っているのを見て隣の車両から警報を鳴らしつつ 接近してこられたのやも知れない。


可能性2:「この唄を聞かせたい。」
 上手くできたことや自分の成功している状態を、自分に感心を持っている人に聞かせたい。というのは 本能的で、特にこういう方の場合はそのモチベーションが高いのかも知れない。
 私が、熱いまなざしでこの先生を見ていたために、 そのように解釈なされていらっしゃるのかもしれない。


可能性3:「地獄へ逝っとけのメッセージ」
 この唄はベスビアスという火山に登山電車で行ったり来たりする唄です。
 「逝こう逝こう火の山へ」などと唄ったりします。
 死相の出ている小生へのこのお方からのメッセージなのかも知れません。




 あまりの攻撃の激しさに、とうとう、私の隣に座っている50代くらいのおじさんが、 私に「早く何とかしなさい。」と言ってきました。

 うッうぅ〜。どうしよう。何とかしなさいって言われてもなぁ〜。

 あたりを見回すと、何故か全員、私の方に激しい怒りの視線 を向けておられるじゃないですか!?

 ええ〜?! 小生でがんすか? 悪いのは・・





 おじさんは私に「だから、早く何とかしなさい! その携帯電話!」 とおっしゃった。

    !?


 心なしかそのフニクリフニクラ男がニヤッとほほえんだようにも見えた。









なんと!私のカバンの上で携帯電話が大音量アラームを 鳴らしていたのだ!

 私は本を読み始めるとすぐさま眠っていて、カバンの上に出しっぱなしにしていた携帯電話が、昨日の昼にあることを 忘れないためにセットしたままになっており、超大音量 フニクリフニクラ を奏でていたのだった!!(私の携帯のデフォルトアラーム音はアルプス一万弱だが、このときはたまたまフニクリにしていた。)
 その音量で周りの皆さんに大迷惑を掛けていたのでした。




 アラームの音量は徐々に大きくなり、最後には近年の携帯電話の技術を恨みたくなるほどの大音量に到達するように設定していた。

しかし、私は夢の中にいたので、それを誤認して変な男が近づいてきた夢を見ていたのでした。


 最後にフニクリフニクラ男がニヤッとほほえんだような気がしたのもなぜか納得できた。

 何はともあれ、周囲の皆さん申し訳ありませんでした。

 ドキュソんはドキュソんを呼ぶ。どころか、一人ドキュソんでした。

 武士道を一から読み直し、気合いを入れ直す必要があるような・・・ そんな夏の一時でした・・・・


ミーンミンミンミン・・・




 
参考文献1:フニクリフニクラ歌詞&サウンド (小学校で習った歌詞と違うような・・・)
 参考文献2:フニクリフニクラ サウンド








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