私
の家にはシャワーが装備されている。 一人住まいながらも、リッチな家だ。 そのシャワーには最新式の温度調節装置が組み込まれており、 自分の思ったとおりの温度を調節することができる。 一般の家庭に見られるようにいちいち、ボタンを押して温度を調節したり、 蛇口をひねったりしなくてよい。実に近未来型の温度調節システムなのである!! あまりにも画期的なシステムのため、特許を申請したいと思っているのだ! その原理は「 シャワーの位置を、低くすれば熱湯が、 高くすれば冷水が出てくる。」というものである。 (たぶん、水系の水圧とお湯系の水圧が異なるために起こる現象) その微妙な高さ加減により、水温が調整されるため、 体の洗う部位によって温度が違う。 うちの風呂場はユニットバス (しかもカーテンなし) のため、立ったまま体を洗うか、しゃがんで洗うしかない。 よって、胸を洗うときには冷水が。 足を洗うときには熱湯が出てくる。 40度くらいの適温のお湯が出てくるポイントはごく限られているため、 その風呂に入るのにはそれなりの練度を要する。 素人がそのシャワーを使うと 「あちちっ!」と言うかもしくは 「お湯がでないんだけど・・」という。 しかし、熟練者にとってはすばらしい設備だ! いちいち蛇口をひねって温度を調節せずとも、 シャワーを1cm上下させることによって微妙な温度調節をすることができる。 しかし、ある時、大変な事件が起こったのである・・・・・ いつものようにシャワーの微妙な位置を調整しながら浴びていると 手が滑ってシャワーを放してしまい、 お湯が出てくるところが一番下に落ちた。 「やばい!」と思ったが、次の瞬間、上に向かってそれが噴射されたのである。 しゃがんでいた私に・・・ 私のタマに・・ 下から突き上げる熱湯が降り注いだ!
おぅあっちち! !(゚д゚ノ)ノ即座に方向転換し、浴槽から飛び出して何とか一命を取り留めた。・・が、 かなり危ない装置であると言うことが判明したのであった。(そんなこと、最初からわかってただろ?) そんなこんなで、我が家のシャワー設備はかなりデンジャー であるため、最近は学校に設置してある公衆シャワーを利用するのが日課となっていったのである・・・ と いうわけで、最近は学校に設置してある公衆シャワーを利用するのが日課となっていったのである・・・ タイルは はげていて、砂と髪の毛が落ちているし、ゲジゲジが歩いてたり、虫がとんでたり・・・と、 まあまあ汚目のシャワー室ではあるが、、むさ苦しい男が使用するのには、何の支障もない。 第一、どの位置(高さ)でも、一定の温度のお湯が出てきくるので、素人ユーザーにはもってこいだ!( 前回あれだけ自宅のシャワーを絶賛しておいて、結局は普通のシャワーの方がいいのか?) しかし、ここのシャワー室にも曲(くせ) というか個性 があった。 シャワーが2種類あり、 一つは「市営プールの入り口にあるようなシャワー」で お湯の出る勢いが弱いがスペースは広い。(以下市営タイプと呼称)というものであり、 もう一つはボックスになっていて、お湯の出は勢いが良いがスペースが狭い。(以下ボックスタイプと呼称)というものに なているのだ。 そして、それぞれ温度設定パネルが独立に設置してあり、しかも、 最適設定温度が違っているのが「みそ」であった。 市営タイプは60度に設定すると、少し暖かめの適温となり、 ボックスタイプは43度に設定すると、同じくらいの適温となる。 そのような特性を持っていた。 そしてその日も私は、10kmほどランニングをしていい汗をかいたところで、シャワー室にやってきた。 「ふー!! いい汗掻いたぜ!」 いつもはそのシャワー室に人がいることはほとんど無く、私の貸し切り状態であるのだが、 珍しく先客かいた。 ボックスタイプの方は既に誰かが使っていたようだったので、 私は、市営タイプのシャワーを浴びるために服を脱ぎ、シャワーに向かった。だがその前に温度設定を確認しようと パネルをのぞくと、市営タイプの温度が43度に設定されていた。 最適温度である60度に設定し直さなければ、適温のお湯が出てこない。 私は人差し指を左右に振りながらこう言った。
チッチッチッ。 σ(・・ ̄ ) ホジホジわかってねーナ。ベイベー。 この方達はあまりこのシャワー室を使用したことのない素人だな・・・ 毎日ここのシャワー達をかわいがってやってる私としては、 「ここのしきたりってヤツをチョイと教えてやらなきゃいけねぇなぁ」 とそんな気分になって、得意げに、設定温度を調節した。 そしてシャワーを浴び始めたのであった。 シャワーを浴びながら、なかなか適温にならねーなー。などと思っていると、なにやら音が聞こえる・・・・ はて? いったい何の音かな? バタッ! バタ! バタバタッ!! 何の音だ?? なにやらプラスチックに柔らかめのものを打ち付けるような音である。 バタバタッ! バタバタバタッ! バタバタッバタバタッ!! その音を聞いているうちに私の中で何かが閃いた!! ひょっとして?! ヤバイ?! ダッシュで温度調節器の方を見に行くと 私の使ってた方が43度になっていて、先客様の温度が60度に なっていたのだ!! 「あちちっ」そう言いながらボックスタイプのシャワーから人が出てこられた。 「ふー。あち〜〜。」(,,゚Д゚) 私は即座に、 「ごめんなさい。 温度設定間違ってしまいました。 すいません!」とその方に謝った。 先ほどの「バタバタ」という音はボックスの中でこのお方がのたうち回っておられた音だったのだ!! 「もう下げましたので、許してください!!」 m(__)m と申し上げ、なんとか許して頂いた。 (今、温度を下げたところで、熱かったという事実は変わらず、「ので」と「許してください」がつながっていないんですけど・・・というつっこみ。) 幸いその方は、一瞬熱く感じた程度で、大事には至らなかったので良かったが、火傷でもしていたら大変だった。 本当にごめんなさい。 このシャワー室に関する「トーシロー」とは私のことだったのでした。 まさか、反対の方の温度を60度に上げてしまうなんて。 とうやら私は、シャワーの達人にはなれそうもない・・・・ (・_・、) |