鋼 鉄の乗り物。 バイク。便利な乗り物。 バイク。こがなくても力強く前に進む乗り物。 バイク。渋滞多いの東京では特に便利な乗り物。 私はこの乗り物を相棒と呼ぶ。 「相棒」は困ったときに「私」を裏切らない。 そして、 「相棒」が困ったときも、「私」は裏切らない。 私たちは、そんな強い絆で結ばれているのである。 そう。 相棒とは常に行動を共にし、時には楽しさを分け合い、時には苦労も共にするのである。 今回はそんなエピソードについて触れてみたい。 相棒と私は都内の道路を爆走する。(といっても、暴走族のような迷惑行為をするわけではありません。普通に 走るだけです。) 信号待ちから、発信寸前にアクセルをふかし、クラッチの即結によって、急発進する。 180Kgの車体は衝撃と共にウイリーし、前輪を宙に浮かせながら直進する。 小生:「相棒よ。今日も調子がいいじゃないか。 このまま10万キロまで往生しろよ。( ´ー` )」 相棒:「でもさ〜。ウイリーはチェーンがのびるからやめた方がいいぜ。」 そんな会話を楽しみながら「沼津と皇居をダイレクトに結ぶ動脈:国道246号線」に差し掛かった。 この道路は道幅が広く、交通量も激しい。信号のない細い横道からは、はなかなか入れないのが現状だ。 交通量の多い道路へ脇から進入するには、進行してくる車の列が途切れたところに入って行くしかない。 しかし、 交通量が多く、なかなか、車の列が途切れない。 時速60km程度で走行している車の列に、約100mから200mの 隙間が有れば、楽に246の車線に進入できる。 念の為に、アクセルを吹かす。 ヴオンヴオン! よし。いい吹け上がりだ。 いざ、進入しようとしたけれど、その途端にエンストしてしまい、慌てる。といったことは希(まれ)にあることだ。 私の相棒は中古で約10歳のやや老体(人間にたとえると70歳くらい)(ほんとか?) なので、 このようにいたわってあげて調子を見ないとないと、たまに機嫌を損ねる場合がある。 何十秒か待ち、ようやく進入のチャンスが訪れた。車の列が約100m弱、開いたのである。 その後方はスピードを上げて その車間を詰めようとする10tトラックであったが、十分な間隔だと判断したので、アクセルを吹かし、進入することに した。 しかし、その時・・・ ヤツはやってきた・・・ 吹かしている最中に、 途端に脱力感に襲われた・・・ エンジンは回転数を上げているのに 車体は前に進まない感覚。 おかしい!? その異変を察知し、脳がフル回転する。 私は、以前にも何度かこの感触を味わったことがあった。 それを思い出す・・・ その感触とは、 チェーンが外れた感触である!! そういう場合には、即座に下車して、手で車体を押して路側帯に持っていき、 安全なところで、チェーンをはめ直さなくてはならない。 私はそれを実行しようとして間髪を入れずに下車しようとした。 その時! 「ガガガッ」 金属のこすれ合う音と共に車体が急停車する。 間違いない・・・ こ・い・つは・・・・・・・ チェーンは外れただけでなく、後輪に引っかかったのだ。 本当に奴がやって来たのである。 奴とは 本物の死神
だった。( メ゚△゚;) チェーンが引っかかったということは、タイヤがロックされたということであり、 前にも後ろにも進めない。ということを意味する。 さっきまで100mくらい後ろだったはずの10tトラックはもはや40mくらいに近づいていた! 小生:「終わったのか? わたくしめの人生は?」 相棒:「・・・・・・・・・・」 小生:「まさか? 謀ったのか?!」 相棒:「・・・・・・・・・・」 その死神は、私と相棒のやりとりを見て、ほのかにほくそ笑む。 「これか? これなのか? 今私が見ているものが、走馬燈と呼ばれるものなのか?」などと、関係ないことを考えているうちに、 10tトラックは、25mくらいに迫っていた・・・ ガッデム!! 私は、車体から飛び降り、ハルクホーガンの霊を右腕に宿し、アーノルドシュワルツェネッガーの魂を左腕に注入して、 道路の中央で固まった180kgの車体を引きずった! トラックは急ブレーキを踏みつつも止まりきれるはずもなく、間一髪、私の隣をすり抜けていき、 そのまま通り過ぎていった・・・ 死神は「チェッ」と舌打ちをするや、次なる獲物を求めて、246を北上していった。 ナンマイダブ・ナンマイダブ。 小生:「どうして、あんなことしたんだ?!」私は相棒を問いただす。 相棒:「どうやら、試験に合格したようだな。 お前ならあのくらい切り抜けると思ってたよ。 前から『走馬燈』ってやつを見てみたいっていってたろ。」 小生:「っちぇ。強がりやがって。 本当はチェーン取り替えて欲しかったんだろ? こんど交換してやるから、もうするなよ。( ´∀` )」 こうして、相棒にまた一つ貸しを作り、今日も246を爆走する・・・ ちなみに、次の日は、両手が筋肉痛だった・・・ 達人への道はまだまだ遠い・・・・ |